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2005/05/11

運転士さん、ありがとう。

毎日毎日,尼崎脱線事故のニュースが報道されている.

事故の責任はJR西日本にあるし,原因は究明されなければならない.そして,再び同じような事故を繰り返さないようにしっかりとした対策を行う必要があることも自明の理である.

では,日常的に鉄道を利用する乗客の1人として自分には何ができるだろうか?そのことについて少し考えてみたい.

列車の運転というものはとても難しいものだと思う.一世を風靡した「電車でGO!」というゲームを思い出してほしい.あれは電車を運転するゲームだが,その操作の大半は「電車を指定された位置に止めること」に費やされる.「電車でSTOP!」と言ってもよいくらいだ.ちなみにこのゲームでは,オーバーランをしたら減点されてしまったと思う.

それだけ列車を止めるということは難しいことなのだ.

まして,現実の列車はゲームではない.乗車人数によって重量は変化するし,天候の影響も受ける.昨今の軽量化された車両では,列車の総重量に対する乗客の総体重の占める割合は大きくなっているはずだ.つまり,乗車人数の変化の影響は増大する傾向にある.また,駅に止まるたびに乗降があり,重量はわずか数分で変化してしまう.これは列車やバスなどの一部の交通機関だけに見られる特徴だろう.

運転条件が一定ではない列車を,1日に何十回もピタリと止めている運転士の技術は,それはもう職人芸と言っても良いのではないだろうか?

車を運転する人は考えてみてほしい.あなたは停止線にピタリと車を止めることができますか?信号に止まるたびに1メートルの誤差もなく止めることができる人がはたして何人いるだろうか?少なくともぼくは全く自信がない.車両重量がほとんど変化することがない乗り馴れたマイカーであっても,ピタリと止めることは難しいことなのだ.

日本の鉄道は世界一正確だと言われている.本当に世界一なのかは知らないけれど,正確であることは間違いない.そして,それを皆,当たり前だと思っている.

でも,本当は違うのだと思う.当たり前ではないのだ.

毎日毎日,黙々と正確な運転を続ける運転士さんや車掌さん,整備士さんなどの方々の努力の賜物なんだ.普段は気がつかない空気のような存在だけれども,彼らがいなければぼくたちは何もできないに等しい.毎朝通勤することも,旅に出ることもできないんだ.

だからぼくは今,感謝の気持ちでいっぱいだ.高校から電車通学だったから,もう13年以上も毎日電車に乗り降りしている.ざっと計算しても1万回以上は電車に乗っていることだろう.ここまで不自由なく生活してこられたのも,彼ら運転士さんたちのおかげなんだね.

もちろん,電車が遅れたこともあるし,それで困ったこともある.試験に遅れそうになって迂回乗車したこともある。イライラもしたけれど,それは仕方がないこと.そう今は思える.

脱線事故後,JR西日本社員に対する暴行や暴言が起こっているという.

とても悲しいことだ.それは間違っているよ.事故に対する怒りは理解できる.でも,その怒りの矛先をJR西日本社員に向けても問題は解決しない.それはますまずプレッシャーを与えることにつながり,逆に危険を呼び寄せてしまっている.

考えを改めなければならないのは,ほかでもないぼくたち乗客自身なんだ.例え電車が遅れても声を荒げることなく,冷静に対応しよう.一分一秒の遅れも許すことができない人なんて本当は誰一人いないはず.もし,そういう人がいたら,その人はその電車に乗ってはいけない.すべてはギリギリの電車に乗ったその人の責任なんだ.

今,自分にできること.それは感謝の気持ちを持つこと.

「運転士さん、ありがとう。」

1人でも多くの人が同じような気持ちを持ってくれたら,日本の鉄道はもっともっと安全になるんじゃないかな?

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コメント

全くその通りです。
何か一つ事件が起きると、それに対して不満や批判が起こるのは理解できますが、暴行や暴言を吐く人の殆どは無関係の第三者が尻馬に乗っているだけの場合が多いものです。
中国の反日デモだって、あの中に本当に日本から何らかの被害を受けたりした経験のある人は殆ど居ないはず。
列車事故でも、肉親を失った人たちは、もっと深い所で悲しみ、怒っているのだと思います。

投稿: くまぱぱ | 2005/05/12 01:10

>くまぱぱさん
繰り返してほしくないですね,事故もその後のことも.
人間は愚かでとんでもない失敗をするし,過去から学ばないことも多いけど...
でも,信じたいんです.
事故直後に現場に駆けつけて救助作業を手伝ったような人たちがいる限りは.

投稿: tsune | 2005/05/16 21:47

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